黒いカタツムリ

際限なく広がる興味を形に残す試み.

初投稿

挨拶

 初めての投稿です.まずはこのブログの方針だけ書いておこうと思います.方針といっても単に何を書くのかという話ですが,単純に自分の興味のあることや身の回りに起こったことを書くだけです.ブログを始める理由というのも簡単で,方々に飛んで行く自分の興味をどこかに残しておこうというものです.

 ジャンルにはとりとめがないのですが,誰かの目に留まれば幸いです.

今日の興味

 最初の投稿なので学生らしく,大学の講義で興味を持った内容についてとりあえず1つ書こうと思います.

 その内容は「保守」とは何なのかを扱うものでした.いきなり政治的な話ですね.結論から言うといまニュースで見るような保守というのはもともとの概念からは離れているようです.

 さかのぼると「保守」という概念はフランス革命期にさかのぼるそうです.フランス革命における急進的な改革への批判としてイギリスで生まれたのだそう.ここまでだと,今の保守と同じような感じです.しかし,面白いのは「保守」が立ち上がったとき,何らかの理想や理念を持つことを嫌ったというところです.ちょっとわかりにくい話ですが,ここで「保守」がフランス革命の批判で現れたことから考えると何となく理解できます.革命では大きな理想・理念を合理的かつ急進的に推し進めたものでした.旧体制を叩き壊したところからも理解できます.それまでの仕組みを一度なかったことにし,理想的な仕組みというものを作り上げる.まあ革命といっているのですからそんなもんでしょう.これを「保守」は批判したのです.その立場は"既存の仕組みを生かし,その悪い点を改善する"というものでした.現状を見つめ改善を繰り返す試みに理想や理念というものがないのも当然です.経験的・実践的な見方で「今」を見つめる姿勢はもはや思想というより生き方の態度ともいえるかもしれませんね.

 理想・理念を前提に既存の仕組みを見直さない立場の考え方は「合理主義」というそうです.ここでは「保守」と対をなすものと考えていいと思います.実際,「保守」が「合理主義」批判する動ぎはありました.M.オークショットの合理主義批判は有名かもしれません.その中で彼はあらゆる理想の追求を批判しています.これまた面白いですね.そのほかにも彼は"完全に自由な市場は自然発生したことがない.ゆえに完全に自由な市場があればそれは完全に計画された市場であることと同じだ."という趣旨の主張もしています.なかなか深い感じがします.

 話がウロウロした印象ですがそろそろ結論に立ち返りたいと思います.現在の保守についてです.端的に言って今の「保守」は現状の仕組みの維持・強化"が目的・理想となっているのではないでしょうか.これは「保守」が"保守すること"という自己目的化をした結果なんだそうです.「保守」が理想を持つということは,言い換えると「保守」の合理化といえます.講義でここまで話が進むと,あまりの皮肉な結果に先人の努力が報われていないという悲しさを感じました.

 正直に言って既存の仕組みをまじめに見直して現状にあった手直しをしてゆくという,最初の「保守」の手続きはあまりに面倒です.簡単に理想を掲げ,それを推し進めたほうがよっぽど合理的です.しかし,既存の制度に敬意を払う立場のもと「保守」的な試みを進めることのほうが価値あることに感じます.これは研究の進め方に近いような気がして受け入れやすいだけかもしれませんけど.

 興味を持って話が進んだのはここまで.次はもう少し軽い話題に興味がわくといいです.